四十肩・五十肩

正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれます。
中年以降に多くみられ、病態は様々です。関節を構成する骨や軟骨、靭帯、腱などが老化して、肩関節の周囲の組織に炎症が起きることが主な原因と考えられていまが、はっきりとした原因はよくわかっていません。肩を動かすと痛い、腕が上がらない、シャツの袖に腕を通すのがつらいといった症状があれば、四十肩、五十肩の可能性があります。
最初のうちは肩を動かすと痛む程度だったのが、だんだん安静にしていても痛むようになり、肩を動かせる範囲が狭くなっていきます。両方の肩が同時に痛くなることはあまりなく、片方の肩だけに痛みが出ることが多いといわれています。
症状で特につらいのが寝ている時に痛みが増す「夜間痛」です。寝ている時にズキズキとうずくような痛みを伴い、睡眠が妨げられ日常生活に支障ををきたしてしまいます。

四十肩・五十肩は経過に伴い症状が変わってきます。

  • 1 急性期(炎症期)

    痛みが強く、肩を動かした時だけでなく安静にしている時や寝ている時にも痛みがあります。痛みを伴う動作は無理に行わないようにしましょう。

  • 2 慢性期

    痛みは軽くなりますが、肩が動かしにくくなります。無理に動かそうとすると痛みが出ます。痛みが軽くなってきたら、硬くなった肩の関節をほぐすために運動を行い少しずつ肩の動く範囲を広げていきます。

  • 3 回復期

    徐々に痛みがなくなっていき、肩を動かしやすくなります。しかし動かしやすくなるまでに数年かかる場合や、症状が残ることもあります。肩の筋力を取り戻すため、積極的に肩の運動を行いましょう。

四十肩・五十肩と背骨・骨盤の歪みの関係は??

猫背や巻き肩との関係が大きいとされています。骨盤が後ろに倒れ背中が丸くなり、肩甲骨が外側に開いて巻き肩になると、肩周辺の筋肉が常に引き伸ばされるので、負担が大きくなります。このような状態が長年続くことと、老化に伴う筋力の衰えが加わると、肩周辺の筋肉が炎症を起こし、突然激しい痛みが出てしまうのです。